米SEC、企業に気候リスクの開示義務付けて提案を募集。気候変動からアメリカ経済を守る目的で
出所:Business Insider
米SECは2022年3月21日、米国の企業に対して温室効果ガス排出量と、事業や財務状況に影響を与える「気候関連リスク」の開示を義務付ける案を発表しました。
現在一般に色々な意見の公募を行っています。
気候関連リスクの開示方法は企業の裁量によって色々な方法が存在しているため、これを「標準化」することにより投資家を保護し市場の効率化を促進するねらいがあるそうです。
企業の排出量データがグリーンウォッシュなどで歪められていないかの正確性を確認するために、個別に監査が行われることになるといいます。
このルール案で最も注目されるべき点は、開示のチェックの一部について従来行ってきたように会計事務所が行う必要はないとしている点です。
そこで注目が集まっているのがカーボンアカウンティング(炭素会計)を手掛ける会社で、今回のSECの標準化のニュースの前からすでに多くの引き合いが来ているとのことです。
日本の上場企業のIR担当者としては、米国での標準化された開示項目がどのようなものになるのか、カーボンアカウンティング(炭素会計)が事業に即して実際にはどのように運用されるのかは要注目ポイントではないでしょうか。
今はまだ日本の金融監督庁はこの義務を上場企業に課してはいません。しかし、貴社の米国の株主が同様のレベルの開示を求めてくる可能性はゼロではないと考えられるからです。
【ご参考】
気候変動リスク開示を 上場企業に義務付け―米規制案
出所:時事ドットコム
SEC chief Gary Gensler on agency’s proposed changes to climate disclosures
出所:CNBC
2021年11月主要投資家のグループは会計事務所ビッグ4に対して、この種の監査に対して準備が十分でないと警告
出所:ロイター
注目のカーボンアカウンティング市場で急成長するスタートアップ:Persefoni (idaten.vc)
出所:IDATEN Ventures
カーボンアカウンティング業界のカオスマップと資金調達額の分析
出所:deallab