「サステナビリティー・コンサルティング会社ERMの報告書によると、格付けの正確性については、企業が提供したデータが誤って分析されているとの不満が多く、調査対象104社の3分の1近くが格付けの正確性に対する信頼度は「低い」「非常に低い」と回答した。ただ、95%の企業が投資家からの要望があるため格付けを取得していると答えた。」(出所:ロイター)
投資家からの開示要望のあるサステイナビリティー格付関連費用に企業がどれくらいお金を使っているのかというと上場企業1社あたり425,000米ドル(約6,000万円)との調査結果が出ました。格付関連費用とはつまりTCFDなどの要件に見合う資料(ESGデータ開示、統合報告書の作成など)を指しています。
「Ask your investor」(投資家に聞いてみる)
日本企業の経営陣、IR担当者としては現在グローバル資本市場で起きていることを念頭に「ESGデータの開示」に対しての自社独自のスタンスを決める必要があります。
自社のスタンスといっても何を開示するべきなのかが分らない。そういう場合は投資家と話すしかありません。データは投資家が投資に踏み切るかどうかを判断するのに使うものです。
それには投資家がどんなデータを探しているのか、そのデータは社内に有るのか、無いのかをまずは洗い直す必要があるかもしれません。外部のプロフェショナルの手を借りるのは投資家が何を求めているのかを把握した後ではないでしょうか?投資におけるリスク(債務不履行可能性 )を 分りやすく投資家に示し投資判断を助けることが格付の 本来の目的のはずでした。
ところが今は、このような混沌とした時こそぜひ「Ask your investor」(投資家に聞いてみる)を実践されることをお薦めします。
まもなく決算発表の時期を迎えます。次のIR面談では「どんなデータがあると投資判断や保有がしやすくなりますか?」という質問から投資家との議論を深めてみることをお薦めしたいと思います。
50万ドルもかかりませんし、トライしてみない手はないと思うのですがいかがでしょう。(大石)