コロナの影響で日本企業にオンライン説明会が一気に浸透したことは外国人投資家にとってもポジティブな変化でした。
でも、日本語の説明会動画に字幕をつけて外国人投資家に見せても響かない、と考えます。
なぜかと言えばそれは日本人と外国人投資家のコミュニケーションの取り方が違うからです。例えば学校を思い浮かべてください。
日本の授業は「レクチャー形式」、英語圏ですと「ディスカッション形式」が多いようです。ディスカッションが外国人投資家のコミュニケーションのベースだとすると、発表済みの説明会資料を1ページずつ読み上げ解説する日本企業のスタイルはなんとも効率が悪く感じてしまうでしょう。
同じ時間を使うなら、経営陣は今回の決算についてどう評価しているか、業績見通しをどのようにみているか、その根拠は何か、ということを社長以下CEOやCOOがお互い議論を交わすスタイルがもっともフィットするのではと思います。
こちらにも何度も引用していますが、Netflix社の説明会動画をご覧下さい。決算説明会というより「議論」です。
経営陣は意見を交わし合ってお互いアップデートしています。ごまかしが効かないリアルタイム性に思わず見入ってしまいます。スクリプトも用意されているのであとでゆっくり読み返すこともでき、投資家フレンドリーです。
結論:日本企業は動画のパワーをIRに採り入れるところまでは来ました。次のステップは動画の「使い方」で差を付ける方策です。外国人のコミュニケーションの取り方にフィットする動画をIRに採り入れ、保有の確度を上げる事。
そこまで徹底して外国人投資家対策を行う日本企業は少数だからこそ、実行する価値があります。