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「富士山型思考=英語、逆富士山型思考=日本語」を意識して使い分けよう

決算発表シーズンが始まりました。

IROの皆様は国内外の機関投資家とのディスカッションの機会も増えるかと思います。

外国人投資家との面談時には、この富士山のイラストのイメージの山頂(結論)から始め、次になだらかな稜線(結論を支えるファクト)をイメージしながらご説明をされると良いかもしれません。

弊社ではIROに特化した英語のプログラムを提供しています。

皆さんはIROという役職である前に、個人として、投資家に熱量のあるメッセージを伝えられていますか?

「それってどうやるの?」

「投資家の思考回路を理解したい!」

「より深いディスカッションをしてみたい。」

と思われる方は当方までご連絡ください。

 

WHOのCOVID-19の記者会見から「投資家に伝わる話し方」について考える

皆様は健康で安全にお過ごしのことと存じます。年初のブログで今年はすべてがリセットされる年回り、と書きました。それがCOVID-19の影響で現実の形になっています。

リモートワークなどで職場やチームから距離を置いて俯瞰するチャンスが今ではないでしょうか。

リーダーシップ、企業の価値、個人の働き方のあり方などを含めた「価値観の強制シフト」という新しい世界に突入したのを肌で感じています。

さて、今回のブログではWHOのCOVID-19の記者会見から「投資家に伝わる話し方」について書きたいと思います。

初めに「投資家に伝わる話し方」と書きましたが、投資家に限らず自分の考えを他者に伝えるときの効果的な方法、と前置きしたいと思います。

まずはこちらの動画をご覧ください。

WHOのDr. Michael Ryan (WHO Health Emergencies Programme) の3/13の日報記者会見の模様です。

同氏はWHOの非常事態対策チームのExecutive Directorであり、エボラ出血熱が発生したときに陣頭指揮を取られた方だそうです。

Dr. Ryanの話はわずか1分半ほど。ここでは彼がエボラ出血熱発生対策の現場で陣頭指揮を執られたときに学んだ「唯一かつ最大の教訓」が述べられます。

Michael Ryan (WHO) Executive Director at a daily press conference on 13 March 2020(出所: Youtube, WHO daily press briefing)

「エボラ出血熱の時の経験を今回のCOVID-19にどのように活かせますか?」との記者の質問への答え

“Perfection is the enemy of the good when it comes to emergency management. Speed trumps perfection. The greatest error is not to move. The greatest error is to be paralyzed by the fear of failure. If you need to be right before you move, you will never win.”

(抄訳)緊急事態への対応時において完璧主義は成功の敵です。完璧さより大切なのはスピード。行動を起こさないことが最も大きな間違いです。判断ミスを恐れるあまり何もできなくなること、これは最もしてはいけないことです。その決断が本当に正しいかどうかの確証を先に取ろうとすると人は動けなくなります。ウィルスとの闘いにも勝てないのです。

この1分半で伝えたのは「情報」ではなく彼の「メッセージ」でした

この動画を見て心を動かされた聞き手は多いのではないでしょうか。WHOにこんなリーダーがいるなら(色々批判はあるものの)安心だと感じました。記者会見の目的は現状のアップデートともう1つあると思います。それはWHOのリーダーシップで「このウィルスに打ち勝つんだ、という強いメッセージ」だと思います。Dr. Ryanの会見はこの目的を見事に果たしたと言って良いのではないでしょうか

日本人の典型的な話し方:逆富士型思考投資家への話し方:富士山型思考

さてここで「富士山の山頂=結論」と位置付けてもう一度このブログのイラストを見てください。投資家との話には筋書きを付けること。

それに沿って結論ファーストで聞き手に最初に提示し、その結論をサポートする「ファクト」を積み上げていく。私はこれを「富士山型の思考」と呼んでいます。

これに対して日本語の話し方は結論に到達するまでの「話のプロセス」を重視。結論は最後にというのが一般的です。

これを「逆富士型思考」と呼んでいます。富士山型の思考はIR担当者としては常に意識しておきたい話し方かもしれません。

私たちにとって難しいのは普段の日本語の思考回路がそういう風に出来ていないことです。

IR担当者は「日本語から英語の思考回路にシフトチェンジ」して、しかも日本語で話す、ということが求められているのです。でも、Dr.Ryanの言葉を借りれば「完璧主義は成功の敵」。

英語の勉強も小さなところからスタート。まずは日本語を話す時にも富士山型思考回路を意識されることをお勧めします。

頭の中が整理され、すっきりとしてくる事請け合いです。ここで強調したいのは「英語が話せない」わけではないということです。

情報とメッセージが混在した状態で英語を話そうとするため「英語が話せないと思い込んでいる」方をしばしばお見受けします。

人の話には「情報」と「メッセージ」があると考えます

投資家と企業のIR面談に同席しているときに、言語に関係なく、人の話には「情報」と「メッセージ」があることに気がつきました。

「情報」は忘れてもまた聞けば良いです。

それよりも話し手が自分に何を伝えたいのか、自分が何を伝えたいのかの「メッセージ」を正確に受け取ること・伝えることが信頼関係の構築には欠かせないと思います。

皆様はDr. Ryanの会見をご覧になってどのように感じられましたか?

聞き手に分かりやすい話し方ってどんなかな?いうとヒントが見つかればと思います。

(出所:ジェムストーンパートナーズ 2020年4月6日)(大石)

 

IR STUDIO の「IR担当者向け英語プログラム」では、英語の富士山型の思考回路を使って投資家の心を動かす「お作法」を学びます。また投資家に期待されるIR担当者とは?について考えるプログラムなどをご用意しております。

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