個と個がつながる時代へ:自立(自律)・分散・協調
3月8日、富士通が3,000人規模の管理職の希望退職者の応募があったと発表しました。
この規模の実施は2016年の東芝以降6年ぶりとのこと。いよいよ人材の流動化が本格的に始まりました。
これからの時代は、自立(自律)・分散・協調ができる人材にチャンスがあると思います。
これはそのままサステナブル社会のあり方と符号しているように思います。
投資家的な視点で考えると、ベテラン社員が大量に退職したあと、これまでの知見が組織にきちんと蓄積される仕組みがあるかどうかは、今後の企業の成長性を占う上で欠かせないポイントになると思います。
東洋経済の記事では、社会的な背景の異なる日本が欧米と同じように大型のリストラを安易に行うと企業価値を毀損する可能性があると警鐘を鳴らしています。
とはいえ、この流れは止まることは無いと思います。
三菱総合研究所のデータが興味深かったので紹介します。
男性と女性、ルーティンワークとノンルーティンワークのマトリックスを作成すると正規社員のルーティンワークに男性が集中していて、非正規のノンルーティンワークに女性が集中していることが見て取れます。
これが現実なのだと分りつつも、やはり職場で社員に公平にキャリアパス構築の機会が与えられているかどうか、というころも、ESGの「Sの」項目として投資家に説明できると良いと思います。
また今後人材の流動化が加速するにつれ、ノンルーティンの領域にいる人材の取り合いになることも容易に予測できます。これからの時代に求められるIR担当者とはどんな人材なのでしょう。私は以下のように考えました。
これまで:ルーティンワークを全方向的にそつなくこなす人材これから:アクティビスト投資家的な視点をもって自社を評価でき、「個」として投資家と直接対話ができる、熱量の高いIR担当者。
そんな担当者が若い世代にたくさん生まれてくれると嬉しいなと思います。
(大石)
データで読み解くポストコロナへの人財戦略—FLAPサイクル実現に向けて(出所: 三菱総合研究所)
https://www.mri.co.jp/knowledge/insight/20210428.html
安易に「人材の流動化」に走る日本企業の末路(出所: 東洋経済オンライン)
https://toyokeizai.net/articles/-/297946?page=4
富士通、希望退職に3031人応募 国内で3000人以上の実施は6年ぶり (出所:blogosドットコム)
https://blogos.com/article/580105/