アクティビストの目線で自社事業の分析ができるIRO
前回、「今の時代に求められるIR担当者」についてHBR(ハーバードビジネスレビュー)の記事を紹介しました。
その中で特に注目したいのは
4. Sounding the alarm
つまりアクティビストを始めとする投資家の動きを察知するスキルです。
記事の中ではこのように述べています。
「 IROs must be able to master analytical models as well as white papers written by activists that argue for an alternative business portfolio scenario for the company.」
つまり投資家の分析モデルの理解はもとより、普段からアクティビストの白書などを読み込んでいていること。
出所:アイ・アールジャパン 注:20年は6月22日時点
自社の事業ポートフォリオに投資家から「物言い」が入った場合、どのような代案を出せるかをあらかじめ経営陣とディスカッションしておくこと、は備えになるのではないでしょうか。
コロナ渦でアクティビスト活動が活発化する中、常に投資家と繋がり、経営陣に早期に警鐘を鳴らす「ゲートキーパー」役ができるIROの居る企業といない企業の違いは大きいと思います。 「アクティビストの株主提案が過去最高に、コロナ禍でも活動の手緩めず」 出典:ブルームバーグ
ハーバードビジネスレビュー(HBR)の記事(英文)を紹介します。
IR担当者が投資家をどれくらい良く知っているか、というのは会社のIR戦略の確度を左右すると思います。
出典:ハーバードビジネスレビュー
記事では「従来のIR担当者」と「これからの時代に必要とされるIR担当者」の役割の変化を対比させています。具体的には、
1)IR担当者が投資家を良く知っている
2)投資家の考えと経営陣の考えのギャップの「橋渡し役」ができる
3)社内でIR担当はCFOなど経営陣へのキャリアパスとしてのポジションと考えられている
などがポイントだと述べています。
現在の日本の事情は少し違うかもしれませんが、少なくとも外国人投資家はこういった期待を日本のIR担当者にしている、ということは言えるかもしれません。
投資家向け広報担当者の役割の変化 出典:ハーバードビジネスレビュー
The Changing Role of the Investor Relations OfficerThe comparison between the conventional IROs and IROs in new era. Source: Harvard Business Review