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日本企業のIFRS対応とバリュー投資家の関係

3月3日の日経新聞に「国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards:IFRS)」について、こんな報道がありました。 「IFRS、営業利益の開示義務化へ 定義明確に」 出所:日経新聞 これにより注目すべきは、PL(損益計算書)偏重になっている日本企業の今後の対応です。 というのもバリュー投資家と言われる海外の長期保有型の投資家からの質問は、BS(貸借対照表)とCFS(キャッシュフロー計算書)についてがほとんどだからです。 国内の投資家からは決算説明会でPLに関する短期的な質問が多く感じます。 国内と海外投資家のスタンスの違いだと思いますが、相手によって関心が違うことを念頭に置いた説明が求められると思います。 海外を中心とする長期投資家に保有してもらうためには何が足りないのか、資料作成の段階から考える必要がありそうです。 IFRS、営業利益の開示義務化に伴う企業のスタンスがカギを握りそうです。 IFRS、営業利益の開示義務化へ 出所:ON TRACK 社長ブログ IFRSとは?日本基準との違い・メリット・注意点をわかりやすく解説 出所:ITトレンド

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「経営陣が英語でナラティブ(物語)を語れるかどうかが株式保有の後押しとなる」

皆さんはもうウクライナのゼレンスキー大統領の米国議会へのスピーチをご覧になりましたか?   米国議会でバイデン大統領に向けたスピーチは「歴史的なものになった」と報道されています。   このスピーチを見て少なくとも、2つのことに気づきました。   1つは、世界の共通言語である英語でナラティブ(物語)を語れる人が人々の共感を得る、ということです。   2つめは、IRにおいて経営陣が「英語で」自社のナラティブを語れるか、「個」として投資家とつながれるかは株式保有に大きな後押しになるということです。   ゼレンスキー大統領の英語は決して流ちょうというわけではありません。それでも人の心に共鳴するのは大統領としてというよりも「個」として私たち一人ひとりに問うているからではないでしょうか。戦略的な意味でIR活動に採り入れたい点がたくさんあると思いました。   いくつかニュースソースを探してみましたが、英語の同時通訳の音声では少々聞きづらく感じました。下のリンクのビデオで、大統領自ら英語で語るところにぜひ注目してください。   Zelensky speech to US Congress (Source:CNN) ウクライナ・ゼレンスキー大統領の国会演説 3連休明け22日で調整 (出所:FNNオンライン)

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IRセミナー「トップメッセージ ドリブン ~対話充実のカギをにぎる、トップメッセージの磨き方~」

IRセミナー「トップメッセージ ドリブン ~対話充実のカギをにぎる、トップメッセージの磨き方~」

IR STUDIO(大石)が株式会社リンクコーポレイトコミュニケーションズ主催のIRセミナーに登壇させていただくことになりました。 ぜひお時間ございましたらご参加ください。 セミナー内容 対話充実のカギをにぎる超重要コンテンツ、トップメッセージを深掘り!国内外、機関・個人を問わず、投資家がIR情報で最も注目するコンテンツの一つ「トップメッセージ」。市場再編後の対話深化のカギを握っていると言っても過言ではありません。このセミナーでは、トップメッセージの重要性と果たすべき役割、そしてターゲットに伝わるメッセージへどのようにブラッシュアップさせていくべきか、そのポイントを探っていきます。 このような方にお勧め こんなお悩みのあるIRご担当者におすすめです。 どのようなメッセージを発信したらいいかわからない。 海外の投資家にメッセージが伝わっているのか不安。 統合報告書等を発行できず、発信する機会を持てていない。 本セミナーでお伝えすること  トップメッセージに求められていること トップメッセージへのIR担当者の向き合い方 「伝える」から「伝わる」メッセージへのアプローチ セミナー 「トップメッセージ ドリブン ~対話充実のカギをにぎる、トップメッセージの磨き方~」 主催 株式会社リンクコーポレイトコミュニケーションズ 開催日 2022年3月22日(火)17:00~18:00 お申し込みリンク(無料) お申し込みはコチラ https://www.link-cc.co.jp/seminar/s_top_message.html

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NASA visualization showing monthly global temperature anomalies between the years 1880-2021

動画のパワーをIRに:「データ イズ ビューティフル」

動画のパワーをIRに 日本企業は動画のパワーをIRに採り入れるところまでは来ました。次のステップは動画の「使い方」で差を付ける方策です。外国人のコミュニケーションの取り方にフィットする動画をIRに採り入れ、保有の確度を上げる事。 前回の記事で動画の活用について取り上げました。 関連記事: ・動画のパワーをIRに(続編) ・動画のパワーをIRに   今回はNASAが公開した動画を取り上げたいと思います。 1880年から2021年の世界の月間気温の推移の異変を示しています。   GISTEMP Spiral Climate - NASA データを活用した直観性のあるインフォグラフィックが素晴らしい動画です。 ”Data is beautiful! This mesmerizing visualization presents monthly global temperature anomalies between the years 1880-2021.” Credit:Steve Nouri, Chief Data Scientist | Founder | Top Voice DS & AI Source:NASA(https://svs.gsfc.nasa.gov/4975)

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IR STUDIO ESG業界パイオニアであるTBLIグループ(アムステルダム)と日本における包括的提携

IR STUDIO はESG業界パイオニアであるTBLIグループ(アムステルダム)と日本における包括的提携を開始しました。 TBLIグループ ロバート・ルーベンスタイン会長よりご挨拶(日本語字幕付) TBLIグループ概要 TBLIグループは世界の主要な公共年金や基金、ファミリーオフィス等に対してESG投資にまつわる助言を25年間に亘って行ってきました。 ESG業界のパイオニアです。ESGやPRIという言葉さえ存在しなかった時代から蓄積された知見を有しています。 日本はESG投資では欧州勢に遅れをとっていますが、果たしてそれは悪いことでしょうか?弊社では日本には日本独自の路線で発展していけば良いのではと考えます。 同社の知見を日本の経営陣にわかりやすくタイムリーに伝えていきたいと考えます。 ESG投資家との直接対話を通して日本企業へのESG投資が促進されるよう邁進して参ります。 <News release> Greetings from Robert Rubenstein, Founder of TBLI Group  We are pleased to announce TBLI Group, a pioneer in the ESG investment arena and ourselves have concluded an exclusive parthership in Japan. We hope to deliver TBLI's accumulated insights over the past 25 years…

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世界とダイレクトにつながるIRコミュニケーション『IR STUDIO』をリリース

まだ会ったことのない新しい投資家を探しに行きませんか 日本企業による海外の機関投資家への情報発信やアクセス構築のためのサービス基地局として『IR STUDIO®︎(https://www.irstudio.jp/)』をリリース致しました。 ■ IR STUDIO®︎ とは 「IR STUDIO®︎」は、Tbliグループとの包括的提携パートナーのもと、Gemstone Partners LLC.とBREW STUDIO Inc.が協働で提供するIR支援サービスの総称です。 ■ IR STUDIO®︎ リリースの背景 2018年のMiFID2(ミフィッド・ツー)発効、そしてパンデミックは資本市場にも大きな影響を及ぼしました。 機関投資家と上場会社が直接つながる「ダイレクトアクセス」がこれまで以上に必要になりました。 東証の売買代金の60%以上を占める海外機関投資家ですが、これまでのように金融機関経由の紹介の投資家に会うだけでは充分ではありません。 世界にはまだ会ったことのない、新しい投資家層が存在するからです。グローバルのESG投資家ネットワークでは業界最大規模のTbliグループ(アムステルダム)との包括提携により新しい投資家層へのアクセスが可能となりました。 ミフィッド・ツー規制のため、証券会社による投資家とのマッチメイキングに頼り切れないのが現状です。それに加えパンデミックで物理的なロードショーの開催が当分は不可能になったこともあり、既存の投資家はおろか新規投資家とのタッチポイントの形成が非常に困難になっています。これらの課題解決に向けて「IR STUDIO®︎」のリリースに至りました。 ■ IR STUDIO®︎ の特徴 「IR STUDIO®︎」では、Tbliグループの有する卓越したグローバル投資家ネットワーク、資本市場の専門家チームの知見を駆使し、効果的なコンテンツやクリエイティブで貴社の「ダイレクトアクセス」を継続的に支えます。サービスは大きく分けて2つあります。 (1) IRコミュニケーション支援 グローバルのESG投資家ネットワークでは業界最大規模のTbliグループ(アムステルダム)との包括提携により、これまで証券会社経由で紹介のあった投資家以外への投資家層へのアクセスが可能となりました。豊富なIR支援ラインナップで貴社と投資家の直接対話を包括的かつ継続的に支えます。 (2) IRクリエイティブ支援 投資家を惹きつけるウェブサイト、インフォグラフィックを駆使した直観的でユニバーサルなIR資料、動画作成、企業ブランディング、コピーライティングなど、企業価値を投資家目線で抽出。ビジュアル化して分りやすく伝えます。上場企業のインハウス・クリエイティブ組織にてブランディング、PR、UI/UXデザイン及びIR担当経験のあるクリエイティブ専任チームが伴走します。 <最新IRトレンド(β版※)を公開> 「IR STUDIO®︎」はIR担当者へ向けて、世界の最新の「IRトレンド(β版)」を配信いたします。 投資家目線に拘ったニュースソースを元に、IR担当者が投資家面談の前後にインプットして頂きたい選りすぐりの情報を発信しています。 ※「IRトレンド(β版)」は無料で閲覧いただけます。 ■ IR STUDIO 概要 サイト名 IR STUDIO(アイアール・スタジオ) URL https://www.irstudio.jp/ サービス提供・運営 TBLI Group Holding B.V. Gemstone Partners LLC. BREW STUDIO, Inc. 【本リリースに関するお問い合わせ先】…

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個と個がつながる時代へ:自立(自律)・分散・協調

個と個がつながる時代へ:自立(自律)・分散・協調 3月8日、富士通が3,000人規模の管理職の希望退職者の応募があったと発表しました。 この規模の実施は2016年の東芝以降6年ぶりとのこと。いよいよ人材の流動化が本格的に始まりました。 これからの時代は、自立(自律)・分散・協調ができる人材にチャンスがあると思います。 これはそのままサステナブル社会のあり方と符号しているように思います。 投資家的な視点で考えると、ベテラン社員が大量に退職したあと、これまでの知見が組織にきちんと蓄積される仕組みがあるかどうかは、今後の企業の成長性を占う上で欠かせないポイントになると思います。 東洋経済の記事では、社会的な背景の異なる日本が欧米と同じように大型のリストラを安易に行うと企業価値を毀損する可能性があると警鐘を鳴らしています。 とはいえ、この流れは止まることは無いと思います。 三菱総合研究所のデータが興味深かったので紹介します。 データで読み解くポストコロナへの人財戦略—FLAPサイクル実現に向けて(出所: 三菱総合研究所) 男性と女性、ルーティンワークとノンルーティンワークのマトリックスを作成すると正規社員のルーティンワークに男性が集中していて、非正規のノンルーティンワークに女性が集中していることが見て取れます。 これが現実なのだと分りつつも、やはり職場で社員に公平にキャリアパス構築の機会が与えられているかどうか、というころも、ESGの「Sの」項目として投資家に説明できると良いと思います。 また今後人材の流動化が加速するにつれ、ノンルーティンの領域にいる人材の取り合いになることも容易に予測できます。これからの時代に求められるIR担当者とはどんな人材なのでしょう。私は以下のように考えました。 これまで:ルーティンワークを全方向的にそつなくこなす人材これから:アクティビスト投資家的な視点をもって自社を評価でき、「個」として投資家と直接対話ができる、熱量の高いIR担当者。 そんな担当者が若い世代にたくさん生まれてくれると嬉しいなと思います。 (大石) データで読み解くポストコロナへの人財戦略—FLAPサイクル実現に向けて(出所: 三菱総合研究所) https://www.mri.co.jp/knowledge/insight/20210428.html 安易に「人材の流動化」に走る日本企業の末路(出所: 東洋経済オンライン) https://toyokeizai.net/articles/-/297946?page=4 富士通、希望退職に3031人応募 国内で3000人以上の実施は6年ぶり (出所:blogosドットコム) https://blogos.com/article/580105/

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個と個が直接つながる時代:Web3.0時代のIR

北京オリンピックでカーリング女子が銀メダルを獲得し、コロナ感染拡大のさなかにある日本にとっては久しぶりに胸がすくような明るい話題となりました。 カーリングが注目されたのは、ゲームの戦略を練りながら観戦するのが面白いのはもちろん、それに加えてこのスポーツがこれからの時代に本質的にしっくりと合っているからではないでしょうか。 カーリングはセルフジャッジのスポーツで審判は必要な時にしか出てきません。中央集権的な審判ではなく、チームの個と個がつながってコミュニケーションを緊密にとりながら戦略立ててゲームを進めて行きます。 この話がなぜIRに関係あるかと言うと、企業もIR担当者も「個」として投資家と直接対話すれば良いと思ったからです。 上場企業は権威団体が取り決めたルールに従って一定の情報開示が求められます。 しかし画一的な評価基準に自社を当てはめるだけでは、本来の企業価値を明示することは難しいでしょう。一定のルールの他にも、もっと柔軟性のある評価基準が必要です。 具体的に言うと競合他社との定量的比較だけでなく、1つ1つの企業が「個」としてどんなSDGsの取組みを行い、それを昨年の自社と比較してここまで上手くできるようになった、という「進捗度」を市場に発信すれば良いのではないでしょうか。 投資家への情報開示の方法はより柔軟で、透明性の高い、開かれたものが望ましいと思います。   インターネットの歴史と特徴 画像の図をご覧下さい。 この表はインターネットの歴史と特徴を示したものです。 Web1.0:1990年~2004年(読み取り専用ページの時代) Web2.0:2005年~2021年(SNSとGAFAの時代) Web3.0:2022年?~(ブロックチェーンの時代) Web1.0から3.0の変遷を「社会、企業、個人」と読み替えてみると妙に符号しているように感じます。 Web2.0の時代、中央集権的な巨大企業が個人データを使って巨万の富を手に入れました。貧富の格差は開くばかりです。 今、時代はそこから進んで不正が起きないような、公平で透明性の高いプラットフォームのWeb3.0が確立されています。 これは投資家とのエンゲージメントのあり方と同じとは言えないでしょうか。 各企業、各IR担当者が「個」としてステークホルダーとどのようにつながり、社会課題をどのように解決していこうとしているのかを伝えることが、Web3.0時代のIRなのではないでしょうか。ここにこそ企業価値の源泉があるのではと思います。(大石) ご参考 「Web3(Web3.0)とは 概要や注目を集める背景を5分でわかりやすく説明」 出所:Cloud Ace 『「Web3(Web3.0)」これだけは知っておこう!ブロックチェーンが実現する「次世代インターネット」徹底解説』 出所:SELECK「人類哲学の研究」 出所:心理の研究@Ameba 中世は「教会」の時代でした。近現代は「国家」の時代でした。これからは「個人」の時代になるはずです。 新しき中世(ベルジャーエフ)。国家が相対的に存在感を失い、本当の意味でグローバルな、個人主体の時代になります。(抜粋)

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データで見る2019-2021年の石炭産業への融資総額

データで見る2019-2021年の石炭産業への融資総額

2019-2021年の石炭産業への融資総額は1.5兆米ドル。 トップ3は日本の銀行 今年もドイツの環境団体「Urgewald」が2019年~2021年の石炭産業への貸付残高別金融機関ランキングを発表しました。 Source : Urgewald / Table1 : Top Lenders to the Coal Industry Source : Urgewald / investments-in-coal -developers 英語では「ご覧頂ける通りです」を ” It is self-explanatory. ” と言いますがまさにそんな状況で、データは雄弁です。 (大石) ご参考リンク Who Is Still Financing the Global Coal Industry?- Press Release Source : Urgewald   Table1 : Top Lenders to the Coal Industry   Table2 : Top Underwriters to…

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世界標準「Bコープ認証」

日本企業が採用すべき世界標準「Bコープ認証」とは

世界標準「Bコープ認証」 世界標準「Bコープ認証」をご存じですか? 「Bコープ認証」はESG投資家に向けて日本企業がぜひ採用すべき認証制度だと思います。 特に、IR担当者が以下のような状況に置かれている場合には利用価値が高いと思われます。 現状: これまでのIRのやり方からなかなか脱却できない。 今までと違うトライアルをしてみたい 証券会社IR支援を頼りにしているが最近あまり面倒を見てくれない 新規の投資家のアクセスがなかなか増えないお薦めする 理由: SDGsの17の開発目標と、B corp認証で計られるB Impact Assesment(Bインパクトアセスメント)の項目は多くの点で合致するため企業が掲げるSDGsとの親和性が高い 日本企業で採用しているのはまだ少数のみ。より早く採り入れることで投資家へのアピールだけでなく企業ブランディングにも役立つ グローバルでも従業員250人以下の企業が多く認証を取得。 特にアジアでは急速に認知度が上がっている4月からのプライム移行を前に、どこからテを付けたらよいかわからず膨大なお金を払ってコンサル会社に相談する企業も多いと聞いています。 大金をコンサル料に投入する前にBコープ認証取得や、英文開示資料の充実など、様々な施策で投資家へのアピールは可能だと考えます。 一消費者としてもBコープ認証の商品を積極的に買って行きたいと思います。 (大石) 【ご参考リンク】大気中の炭素からダイヤモンドを生成するD2C企業がBコープ認証取得 出所:WWD 世界標準「B Corp」を知っていますか アジアで広がる「良い会社」認証 出所:GLOBE+ ダノン、「Bコープ認証」で若者取り込む 社会へのインパクトを見える化 出所:日経ESG B corp認証とは?取得方法・メリット・SDGsとの関係を解説 出所:SDGsメディア

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東証再編で活性化する6月総会での投資家要求(前編)

東証再編で活性化する6月総会での投資家要求(前編) 今年6月に株主総会を控える上場企業も多いと思います。 今年は普段とは違う予測の出来ない株主からの要求があるかもしれないと思っています。 4月から始まる東証プライム市場の再編は、フタを開けてみればコンセプトが曖昧な「再編」に終わったとの評価が内外から多く聞かれます。 色々な記事を読んだなかでももっとも膝をポン!と打ったのはこちらのメルマガ記事でした。 「東証の市場再編で生まれる「プライム」は、基準が甘い!このままだと海外投資家のマネーを呼び込めず、日本の株式市場はもっと低迷する?」 出所: 太田忠 勝者のポートフォリオ Nikkei Asiaにも、プライムにはアンダーパフォーム企業が数多く含まれるため、主要国のトップティアの市場と比較して質が落ちると書かれています。 「Tokyo exchange's 'prime' offering not lean enough, pros say. Highest tier of stocks still crowded with underperforming companies」 出所:Nikkei Asia 実際に、こんなアクティビストからの株主提案もありました。 「鳥居薬品に ”物言う株主” が噛みついた真の理由。」 「プライム上場は問題」、驚きの株主提案が発覚」 出所:東洋経済オンライン 出所:LIMO   東証再編で活性化する6月総会での投資家要求(後編)へ続きます。

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東証再編で活性化する6月総会での投資家要求(後編)

東証再編で活性化する6月総会での投資家要求(後編) 「東証再編で活性化する6月総会での投資家要求(前編)」(前半からの続き) 一方で、東京証券取引所社長の山道氏は「日本はもっとアクティビスト投資家との率直でオープンな対話を経営判断に活かすべき」と発言しています。 Tokyo Stock Exchange boss tells Japan to embrace activist investors 'Frank, open discussions' could help decision-making, says CEO Yamaji」 出所:Nikkei Asia 山道氏のこの発言は今の状況とチグハグに感じます。 もしかするとこれは何かのメッセージなのでは?と思い過去の記事を探してみましたら、ありました。 そうか、プライム再編は「終わりではなく始まり」なのだとしたら。 そんな期待を寄せているのは私だけではないと思います。 「東証トップが衝撃告白、市場再編後さらに「新基準を設けるかも」発言の真意 山道裕己・東京証券取引所社長インタビュー」 出所:東洋経済オンライン 年明けからの日本株のパフォーマンスを見ていても、利上げを示唆した米国市場に連動して下げていると見る向きも多いです。 日本の国力への信認が落ちるにつれ円安ドル高が進み、日本企業の本質的な価値が顕在化していない状況です。 2022年、グローバルの投資家に、日本企業が魅力的な投資先であるとアピール出来なければ、この減速の仕方ですと本当にまずいことになるという危機感を感じています。 こういった地合のなか、投資家の生の声を経営陣に届けるIR担担当者の役割は益々重要性を増していると思います。 不透明な時こそ自らも胸襟を開き、投資家の率直な意見を聞いてみると、より深い信頼関係を築けるのではないでしょうか。 大石

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IRトレンド

年の初めに寄せて
皆様にとって健やかで穏やかな一年になりますように。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 元日の地震で被災された皆様、ご家族の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。 2024年は元日から日本にとって悲しいニュースが続きました。 このような天変地異を目の当たりにしたときの人間の無力さ、そして普段では当たり前に思っていることがどんなに有り難いことなのかを改めてかみしめています。 東京証券取引所では4日から商いが始まりました。 企業活動も本格的に始動しています。日本経済、ひいては日本企業にとって2024年はどんな年になるのでしょうか。 2023年からの流れから気をつけておきたいことがあります。 それはアクティビストの活動です。 インパクト投資家へのヒアリングで、今年少なくとも2社のアクティビストファンドが日本オフィスを開設すると聞きました。 アクティビストといってもファンド(投資家)だけとは限らずまったく業種の違う企業からの買収を仕掛けられることも可能性としてはあります。 その対策としてどのようなことを留意すべきなのかということが、IR戦略を考える上で鍵になってくると思われます。 どんなスタイルのアクティビストであれ、そもそも事業家ではないため、企業の経営陣とは「違う言語を話す人」と最初から位置づけるほうが良いと思います。 つまり議論の前提が違う。 真摯な対応をして、何度も面談を重ねても、結局理解し合えないことがままあります。 やはりここは「同じ言語を話し」アクティビストの手の内を熟知している、資本市場の専門家にアドバイスを請うのが最も理にかなっていると考えます。 その上で、買収防衛策を使うのか、撤廃するのか、資本政策の方向性をどうするかなど、経営の根幹に係わる部分での議論を社内で深めていく必要があると思います。 出所:Bloombergニュース  アクティビストに目を付けられる企業に共通している特長があります。それは開示が乏しいことです。一見矛盾しているように思えますが、情報開示をしてしまうと、その情報がまんべんなく公平に世の中に行き渡るため「潜在化していない情報の価値」がなくなるためです。開示を進めるほど、特に敵対的な買収を仕掛けようとするようなアクティビストへの対策となるのです。上場企業のIR担当者にネガティブなニュースほど、迅速な開示をお勧めするのはそのためです。 以下の円グラフは米国の上場企業に向けてアクティビスト投資家がどのような株主提案をしてきたかを示すものです。米国と日本企業を単純比較は出来ないものの、参考になるかもしれません。 The most frequent activist investor demand involved in 28% of campaigns since 2006 has been for companies to separate its business. 2006年からの統計によると、最も積極的なアクティビスト投資家のうち28%が企業に「事業の分離」を求めてきた。 アクティビスト投資家から要求された価値創造の施策(2006年以降、2,142社累計) Value creation demands from activist investors( 2,142 campaigns since 2006) Source: FACTSET,…
ESG投資は今どうなっていて、どこに向かっている?
以前「ESGは死んだ」という英国FTの記事を紹介しました。 そして、日本のメディアでも同様の報道がありました。 「ESGが消えるべき3つの理由 米で政治化、欧州は常識」(出所:2023年7月8日、日経新聞) 10月23日のFTで、改めて「ESGは死んだ」系の記事が紹介されています。タイトルを訳すると「ESGは救いようがない。早く消えて」といった感じでバッサリと切り捨てています。 ESG is beyond redemption: may it RIP by Aswath Damodaran (Source:October 23 2023 edition of FT Online.) 欧州、米国では2019年8月にDWS(ドイツ銀行の資産運用部門)、続いてブラックロックのサステナビリティ投資責任者による相次ぐ内部告発を皮切りに、欧米においては金融機関による相次ぐグリーンウオッシュ、企業によるバリューウオッシュがメディアに取り上げられています。ESGへの逆風が吹きまくっています。また不正をせず、ルールを守って真面目にコツコツやってきた投資家や企業の間にも「ESG疲れ」が見られます。 でも、ESGは不要だ、と切り捨ててしまって良いのでしょうか。ESGは今どうなっていて、どこに向かっているのでしょう。 IR担当者としては、グローバルにおけるESG投資の大まかな流れは常にアップデートしておくことをお勧めします。投資家との温度感がずれてしまうからです。インパクト投資家からのヒアリングを行い私の見解をまとめてみました。 まず、ESG不要論に飛びつく前に、なぜこのようなESG不信が起きたのか、要因を分解して考える必要があると思っています。 ①ESG投資は「死なない」:過去25年以上にわたって概念として進化を続けてきたESG。概念そのものが急に「死ぬ」、「消える」とは考えにくい。ESG投資は進化の途中にある。 ②ESGデータの疑義性:要因分解をすると、問題は格付機関が投資家に提供する「ESGデータ」の疑義性にあるのであって、ESGのコンセプトそのものが問題なのではない、ということです。問題は、大手格付会社のESGレーティングの計測方法は明らかにされていないことから、透明性・公平性の担保が相当難しい点にあります。ESGデータの疑義性と、ESG投資の原則を混合して議論するのはちょっと違うと思っています。 ③ESGデータの透明性を担保し、投資家が安心して投資判断に使えるようにする必要があり、misrepresentation (あたかもそこにあるかのごとく装うこと)が出来ないルール作りが急務であるということです。欧米では早くも業界ごとのESG開示に係るルールづくりなが進められています。 ④ESGファンドの選別が起こる 過去10年でグローバルの巨大投資家などが「環境や社会に良いことをしている」と旗を振って資金を集めた結果、世界の総資産の3分の1をサステナビリティ関連のマネーが占めています。短期的な利益獲得をねらうようなファンドが規制強化を嫌気し次々撤退していくのも、ある意味予想が出来たことかもしれません。 ⑤結論:淘汰を生き抜くのは「本物」だけ 上記のような流れから、私は現在ESG投資は、今曲がり角にあると考えます。淘汰のさなかにある、ということです。約半数のESGファンドが2年未満の設定をされており、順次繰り上げ償還されているとブルームバーグは伝えています。利益を確定したら早々に退散する(「なんちゃってESGファンド」とでも呼んでおきましょう)の数が新たに設定されるESGファンドを上回るとのこと。 今後、ESGを謳うファンドに課されるルールはさらに多くなることから(下記参照)それでもESGファンドとして残存する選択をしたサスティナブル投資家には志があるという証左になるのではないでしょうか。 志を持つ「本物」だけが淘汰を生き抜いていくと、大石は考えます。 ブーム去り繰り上げ償還相次ぐ、ESG投信に「異変」-設定2年未満も (出所:ブルームバーグ) [世界のESG規制]気候変動や人権など新ルールが2倍超に (出所:日経ビジネス)