ここに2つのデータを紹介します。
IR担当者としては、日本のインパクト投資の残高の急増基調、また米国の株式市場からの資本流出といったデータのタイムラグを念頭におきつつも、今後の資本市場の動向と投資家の行動との整合性を多面的に見極めていく必要があると思います。
一般財団法人社会変革推進財団が「日本におけるインパクト投資の現状と課題 2021 年度調査報告書」を発行しました。
インパクト投資残高 1 兆 3,000 億円超で前年度比 2.5 倍にまで急成長したとの報告がありました。
前年度のインパクト投資残高の 5,126 億円から 2.5 倍と急成長した要因として、大手都市銀行や運用機関のインパクト投資の新規参入による取組機関総数の増加(20 年度調査:20 社⇒21 年度調査:31 社(1.5倍増) )などの理由があると報告されています。
日本におけるインパクト投資の現状と課題_2021年度調査報告書
(出所:一般財団法人社会変革推進財団)
一方で、米国の資本市場に目を転じると利上げやインフレ懸念に加え、戦争による地政学的リスクや不透明感から投資家が株式から資金をイグジット(流出)しているというデータが示されています。
ブルームバーグの記事は、EPFRの取りまとめたデータによると2020年8月以来初めて320億ドルが株式市場から流失していると伝えています。